この先のこと、将来のこと…これからどうなるかなんて断言できない。​

　だけど、写真は「今…その瞬間を、その空間を切りとる」ことができる。その切りとったものは、その撮り手の想いのみならず被写体の想いまでをも閉じ込め、形あるものになっているような感覚さえする。​

　そして、その形あるものは人に観てもらうこともでき、さらには時に共感を得、喜んでもらえることもできる。

　その共感、喜びが、今より先、明日、明後日、さらにその先…、その人の、そして自分自身の活きる原動力に、その支えになったとしたら、どんなに素晴らしいことだろう。

　自分のことを表現者だとは思わない。まだまだ何が撮れるのか、何ができるのか…ずっと探し迷っている。

　素晴らしい風景や誰もが感動するような観たこともない風景の写真だけが写真ではないと思う。もちろんそれらの写真も好きだから、時々に挑戦していくことはあるけれど、情緒的な、ストーリーが感じられる、ふと気づけば身近にある、そんなシーンを僕は追い求めているのだと思う。

　

                                 NS Photography by nao sakaki



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